

260年も続いた酒蔵が閉じた。
志和の千代の春酒造に最後のお酒を買いに行った。
ずいぶん前だがNHKの朝の連ドラで若い女性が杜氏になるというドラマをやっていた。
記憶ではそれからあまり時を置かずと覚えているのだが、志和の「千代の春酒造」で亡き父の後を継いで若い娘さんが杜氏となったというような話を聞いた。
時々その側を通りながら、がんばっておられるのだと思っていたが・・
この2月末で酒蔵は閉じられたときのうの中国新聞に載っていた。
前社長ご夫妻はちょうどわたしの両親と同じ年代だ。若い娘さんはお孫さんにあたる。
雨の降りしきる中わたしたちは酒造を訪れた。通された古い酒蔵のなかにまだ残っていたいくつかのお酒・・日本酒がそれほど好きではないので銘柄などはまったく分からない。でも、260年の最後とあってはぜひともと思い数本もとめた。
数年前わたしたちも店を閉じた。この酒蔵とはとても比較できるはずもない小さな店だったが、店内のたくさんある商品を最後のひとつまで買っていただいた地域のお客様や閉店を知って駆け付けてくださったお客様には感謝の気持ちでいっぱいだった。
そのときのありがたかった思いを少しでもお返ししたいと思って行った。ちょうど江田島から来た方たちもきのうの新聞で情報を知って来られたようだった。
それにしても物事には始めがあれば必ず終りがくる。世の無常ということをつくづく感じながら酒蔵を後にした。
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