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雑魚の云々

.23

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終わった・・けど、終わらない

今日で終わったのは、中国新聞に連載されていた小説、重松 清の『かあちゃん』・・・

けっこう重い内容だった。登場人物のいろいろな母親像が浮かんでくる。そして最初と最後に語られる母のはなし。

父親の起こした交通事故により、父親も同乗していたひとも亡くなった。その同乗者の家族に謝り続ける母の姿。。笑うことをやめ、何年も何十年も償いを続ける人生・・・

今日で連載は終わったが、「忘れてはいけないこと」を語り続ける。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そのほか、今週に入って読んだのは、東野圭吾の『容疑者Xの献身』『手紙』

ついいましがた読み終えた『手紙』の内容がまた重いのだ。『かあちゃん』の内容とかぶるのだけど、こちらのほうはもっと罪が深い。

母子家庭で暮らしていた兄弟ふたり。母親は身を粉にして働いていたが、ムリがたたり病死する。高校生だった兄は高校をやめ弟と暮らすためにバイトを始めた。むろん肉体労働しかない。引っ越しや家具の配達の仕事をする。弟を立派に大学卒業させてやることが、亡き母の願いでもあり兄の希望でもあった。

やがて弟も高校三年になり進学の時期を迎える。しかし兄は進学の費用どころか、腰痛で働くこともままならない身体になった。

どうしても弟の進学費用が必要だった。兄は以前引越しの仕事に行った先で親切にしてもらったおばあさんの家が裕福そうだったことを思い出す。

そしてある日、その家に空き巣に入った。留守だと思って入った家だったが、あいにくおばあさんに見つかり、兄はおばあさんを刺殺してしまう。

そこから強盗殺人犯の弟の悲劇が始まる。

拘置所から送られてくる兄からの手紙。やがて刑が確定し、刑務所から送られてくる兄からの手紙。弟は自力で生活を切り開き、大学にも進学する。しかし常に「強盗殺人者の弟」というレッテルはついてくる。。

罪をおかした本人は、刑に服するのは当然のことであり、出所したからといって社会からの差別的な目はまぬがれまい。しかしその家族はいったいどうすればいいのだろうか・・身内に犯罪者がいたり、あるいは事故で他人を巻き込んだりしたとき、その家族は一生その負い目を背負わなくては生きられないのだろうか・・

「差別はいけないことだ。家族には関係ないことだ。」などとキレイごとを言っても、現実は違う。

差別になりそうなことは、見て見ぬふりをする・・。多くの人がそう言うだろう。でもけして自分からは近ずかない。今の学校のイジメの実態。。

どちらも単なる小説ではあるのだが、日常茶飯事的に社会で起きていることも事実なのだ。実際にどうすればいいのかなんて誰にも分からないのかもしれないけど、そういった社会に生きている私たちは、常に自分に置き換えて考えるくらいのことはしてみてもいいのではないかと思う。

今年から始まる裁判員制度、自分に人を裁くことなんてできないと思うけど、もし被害者の家族だったら、もし加害者の家族だったら、そういった視点で考えることは必要なのではないかと・・

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Comment
1789
 今回は、難しいこと言うてるな。
ほんま、人を裁くなんて難しすぎるよな、素人には。

 しかし、簡単に考えてええんとちゃう?
あかんもんは「あかん」、ええことは「ええ」。

 善・悪の双方どっちからスタートするか?って、結構大きいと思えへん?
皆が互いに「善」からスタートやったらええのにな。
v-23

1790
>なばさん
表面だけで伝わらないことって多いですよね。当事者じゃないとわからないことが・・
わたしたちは結局、伝え聞いた(マスコミの・・)ことから判断するわけで、警察の発表が事実かどうか確かめようがないもの。。
むずかしいと思いますよ~

たとえば「和歌山の毒入りカレー事件」あれってほとんどの人が死刑は当然だろって思うけど、決定的な証拠っていうのはないんですよね~状況証拠と消去法で死刑確定になったんですよ。ってことは100%ではないことになり・・

ひとは大勢に影響されますからね~サリン事件で疑われた河野さんが言われてました。・・まぁ善を持って考えても他にだれもいないということは●になりますが・・

1793
偶然!
先日、日本に帰国する日本人の方のセールに行ったんですよ。
子供物をあさってから本を数冊買ったんです。
で、この題名見てどこかで見たなぁ~て思ってたら買った本と同じです~♪
面白い偶然~v-237

いつ読めるかなぁ。。。

ジョシュが裁判制度の事について前に言ってましたが、日本の裁判制度ではまだ私達一般人だけで裁くというシステムにはなってないそうです。
私達一般人と裁判官とで話し合って決めるらしく、ジョシュ曰くそれだったらみんな裁判官の意見に賛成するに決まってると。。。参加する意味がないとか言ってました。
それでも人を裁く重みと言うか、責任感は一緒ですよね~。
何が善で何が悪と判断するのは難しい世の中になって来てるような気がします。


1796
>えっちゃん
ジョシュは着々と勉強中ですね~!

まだ始まる前からいろいろ問題が山積な裁判員制度・・
誰しもそんな重大なことに関わりたくないというのはありますよね。。
だからこそ冷静に見ることが大切なのだと思うけど、実際に自分がその立場になったら多数の意見に流されそうで・・

マジな話「勘弁してよ~・・」って人が多いのもうなずけますです。。


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